「長野と比べて地味だね」とよく言われます。上高地のような絶景はありません。
軽井沢のようにアウトレットもありません。安曇野のような美術館もありません。
でも意外と楽しみはたくさんあります。地味ですが滋味のある楽しみいろいろ。
しかも長野へのアクセスも楽々です。派手な楽しみも魚沼拠点でどうぞ。
来る日も来る日も、しんしんと降り積もる雪。やわらかい新雪がすべての音を吸収するため、風のない日は無音の空間を体験できます。
周囲は大自然なのにまるで録音スタジオにいるような、ピンと張り詰めた空気感は豪雪地ならではの体験です。
初体験に最適な標高2000メートルの神楽ヶ峰ツアーをはじめ、中級向きの平標山、穴場では八海山のツアーもあります。さらっさらのパウダーを楽しむなら2月下旬まで、山の眺望を楽しむなら天候の安定する3月以降。里山十帖では安心して冬山を楽しんでいただくため、地元に精通したガイドカンパニーをご紹介しています(ツアー代金はおおむね1万円前後です)。
けっして上級者である必要はありません。技術的には中級者でも大丈夫。ただし重要なのは体力です。底なしパウダーで転倒すると起き上がるだけで体力は大きく奪われます。「転ばない!」という気合いと脚力、そして急斜面に対する恐怖心がないこと。技術よりも大切なのはこの2つ。あとはマイナス20度でも耐えられるウェア。最後に身を守るのはハイテク下着を含めたウェアと体力です。
1月〜2月の雪はさらさらのパウダースノー。スキーやスノーボードには最高ですが、雪遊びをするには深すぎます。
2月下旬になると雪も締まってきてスノーシューで野山を歩くには最適な時期。晴天率も3月にかけて少しずつ上がってきます。
そのほかにも、かまくらづくり、雪合戦、雪の尻滑り……。楽しみは尽きません。
新幹線で県境を越さずに、高崎駅で在来線に乗り換えて「トンネルを抜けると雪国であった」の舞台を体験してみてはいかがでしょうか?
高崎駅から上越線に乗り換えて水上駅へ。そこで長岡方面行きの電車に乗り換え、モグラ駅で有名な土合駅を経て、「雪国」の舞台、清水トンネルを抜けてしばらくすると、最寄の大沢駅に到着です。
ちなみに里山十帖に連泊して、水上へのワンデイトリップを楽しむのもおすすめ。大沢駅から水上駅まで向かう途中にはループ橋もあり、晴れていればトンネル手前では谷川岳を望むことができます。日帰り入浴は温泉街にある小さな施設「ふれあい交流館」(徒歩10分・第1・第3火曜定休)へ。1本逃すと次の電車まで長時間待つことになるので、ご注意ください。
関東や西日本のカタクリ群生地では遊歩道の脇にロープが張られ、日曜日には「道からそれないでくださ〜い」なんてメガホンで係員が叫んでいたりしますが、新潟の群生地にはロープもなければ係員もいません。関東や西日本と比べてはるかに群生規模が大きく、地元の人にとってカタクリの花は「どこにでも咲いている花」なのです。ということで、宿の周辺でもカタクリは見られますし、群生地といわれるところでは一面のカタクリの花を見ることができます。
なかでもおすすめなのが、標高321メートルの「六万騎山」(上越線五日町駅から徒歩30分ほど。アップダウンのある散策路は一周45分ほど)。
南魚沼市内の群生地でもっとも早く満開を迎え、4月上旬〜中旬には全山がカタクリの花で覆われます。とくに山頂付近は桜の木も多く、上を見ても下を見てもピンク色という、まさに春爛漫な景観を楽しめます。
六万騎山で満開を過ぎると次は標高634メートルの「坂戸山」が見頃に(上越線六日町駅から徒歩10分ほど。山頂までの散策路は1周2時間)。山麓付近と山頂付近に群生地が点在しているのですが、標高差があるので5月上旬まで楽しめます。山頂へは登り約1時間。運動不足の方には意外ときついのですがお花畑を目指して頑張ってください!
里の新緑はゴールデン・ウィーク前後、山の新緑は5月中旬以降。棚田に水が張られてもっとも美しいのは5月中旬から6月上旬です。5月中旬だと背景の山々はまだ真っ白。田んぼ周辺の日影にも雪が残っていて、山桜が水鏡に映り込んだりします。
5月下旬になると田植えが始まって周囲の緑が一斉に芽吹きます。6月上旬は山も芽吹きを迎え、残雪とのコントラストがもっとも美しい時期。梅雨入りまで緑の色は日々濃くなり、ドラマチックに景色が変わっていきます。
里山十帖があるのは、棚田の美しさで有名な十日町(旧松代町・松之山村)へのアクセス路の途中。車で約3分の大沢山トンネルを抜ければ十日町という、棚田めぐりにも抜群の立地です。
毎年6月上旬頃に、自遊人 里山十帖主催の田植えイベントを開催しています。おおまかなスケジュールは12時頃集合、3時間ほどの体験 をしたのちチェックインして夜は参加者全員揃っての懇親会です。体験料金は4,500円で1名様からご参加いただけます(宿泊料金別途)。なお企業や団体での田植え体験イベントはこの日程以外にも別途設定可能。田んぼ1枚から穫れるお米全量をお買い上げいただくこと+体験料金4,500円×人数分が基本料金です。
春の訪れとともに一斉に鳴き始める野鳥。この季節、求愛のための美しい鳴き声が森に響きます。新緑、水鏡の美しい田んぼ、残雪、鳥の声……。魚沼がもっとも美しい時期で、そのピークは5月下旬〜6月上旬です。
ブナ林というと白神山地をイメージするかもしれませんが、白神山地まで行かなくても美しいブナ林を見ることができます。たとえば湯沢温泉から車で15分ほどの八木沢という集落を起点にする「トレッキング湯沢」というルート。アップダウンがほとんどない清津川の渓流沿いを1時間ほど歩くと、ブナの原生林にたどりつきます(往復2時間)。ブナの新緑はまるで蛍光グリーンのよう。写真ではその色が表現できないほど、他の広葉樹よりも鮮やかです。新緑がいちばん美しいのは5月下旬〜6月上旬で、7月中旬になると深い緑色に変わっていきます。「2時間も歩けない」という人は車で40分ほどの「美人林」へ。こちらは原生林ではなく二次林ですが(炭焼きのための林でした)、車をとめて1分で美しいブナ林。ぐるりと散歩しても15分ほどというお手軽ルートです。近くには日本三大薬湯の松之山温泉もあるので、ぜひセットでどうぞ。
7月に入ると本格的な夏山シーズン。魚沼周辺には標高2000メートル前後の山々が連なっています。日本百名山の巻機山や越後駒が岳、苗場山など健脚向きの山が多いのですが、簡単に歩ける山ももちろんあります。八海山はロープウェイを利用すれば山頂まで約2時間、谷川岳もロープウェイ利用なら約3時間です。温泉好きなら赤湯温泉の往復がおすすめ。苗場スキー場の脇から林道に入り、終点に車をとめて歩くこと約1時間30分、ワイルドな露天風呂が待っています(山小屋の宿泊も快適!)。
すぐそこの大沢山トンネルを抜けると十日町市。十日町といえば最近、「越後妻有アートトリエンナーレ」ですっかり有名になりました。
イベントは3年に一度ですが、おすすめなのはそれ以外の年に常設展示を巡ること。質の高い作品は常設展示として残されていて、しかも春から秋にかけて開放されているのです(作品によりますが)。「うぶすなの家」「脱皮する家」「光の家」「絵本の美術館」「船の家」…、常設作品を巡るだけでも数日必要なほど。混雑知らずなので自分のペースでじっくり観賞できます。
紅葉は10月上旬からスタート。標高差があるので1ヶ月以上楽しめるのがポイントです。10月15日前後に谷川岳や巻機山の山頂付近が紅葉するのを皮切りに、八海山は20〜25日、トレッキング湯沢は10月末、宿の周辺は11月10日前後、里では15日前後にピークを迎えます。里が紅葉すると山の上には初雪が。11月20日前後になると遅い紅葉と初雪のコントラストをお楽しみいただけます。
8月のお盆前後に出穂した稲が黄色く染まってくるのは9月中旬。田植えの早かった田んぼでは9月下旬から稲刈りが始まります。山あいの棚田では少し収穫時期が遅く、10月上旬〜中旬がピーク。一面黄金色に染まった棚田の風景を見ていると心が和むのは、日本人のDNAなのかもしれません。里山十帖周辺で棚田が美しいのは「栃窪」という集落と、国道353号線十二峠近くの「倉下」「土倉」集落のあたり。ちょっと遠くになりますが「星峠」や「蒲生」など、旧松代町の棚田はスケール感もあって訪れる価値大です。ちなみに里山十帖でおすすめしているのは星峠から国道403号線を直進して、県道13号、国道405号線で上越に抜けるルート。国道とは名ばかりの細い道ばかりですが、周囲には日本の原風景ともいえる棚田と山村集落が残されていて、まるで昔話の世界にタイムスリップしたようです。
6月8日に植えた稲は順調にいくと10月12日あたりが収穫適期。もちろん夏の天候によって1週間くらいは前後しますが、現時点では12日を収穫予定としています。手刈りした稲を天日干しして2週間、私たちの手で脱穀して、検査、精米を経て、皆さんに新米をお届けできるのが11月上旬。美味しいお米をつくるには"てまひま"かかります。
NHKの大河ドラマ「天地人」の第一話で、直江兼続の子役が「こんなとこ来とうはなかった」と叫んだ寺が、南魚沼市内の「雲洞庵」(拝観料300円)。開山は1200年前といわれ、本堂は上杉憲実公によって建立されました。その近く、カタクリの名所でもある坂戸山は別名「坂戸城」ともいわれ、直江兼続の出生の地といわれるところ。登山口入口周辺には遺構もあります。
魚沼市の「西福寺・開山堂」(拝観料300円)に残された石川雲蝶の彫刻も魚沼に来たならば、ぜひ見ておきたいもののひとつ。石川雲蝶は東洋のミケランジェロともいわれる江戸後期の彫物師です。
里山十帖の母屋は、織物で財をなした庄屋の建物といわれていますが、この地域には豪農の館も残っています。代表的なのが魚沼市須原にある「目黒邸」(入館料300円)とすぐ近くにある佐藤家住宅(入館料100円)。長岡市の旧越路町には築270年、県内最古の豪農の館といわれる「長谷川邸」(420円)もあります。3軒ともに国の重要文化財に指定されています。
5300年前に信濃川中流域で成立し、その後500年にわたってつくられてきた火焔型土器。実はこの火焔型土器は十日町と魚沼の限られた地域でしか出土しない謎の多い土器です。
縄文時代というと私たちのイメージは"毛皮の腰巻きで矢じり持ったヒゲ面"といったイメージですが、この土器を見ると当時の文化レベルが想像をはるかに超えるものであったことが推測できます。装飾が多い芸術品でもある王冠型土器は、おもに宗教上の儀式などで使われたと推察されるわけですが、はたしてこの豪雪の地にどんな文化・文明があったのか……。
「十日町市博物館」(9:00〜16:30入館・月曜定休・300円)では国宝・火焔型土器を常設展示。悠久の歴史に想いを馳せながら、しんしんと降り積もる雪の中で土器を眺める、なんて休日も素敵です。
上越線高崎駅から水上駅まではSLが運行しています。高崎駅から水上駅までの所要時間は約2時間。水上駅で1時間30分ほど温泉街をぶらぶらしてから長岡行きの上越線に乗れば、約50分で大沢駅に到着です。SLは上下線ともに全車指定席。1ヶ月前からみどりの窓口等で販売しています。
里山十帖から車で約40分の「かぐらスキー場」は、国内でも屈指の規模を誇るスキー場。天然雪によるシーズンインも日本屈指の早さで、ほぼ毎年11月23日にはオープンしています。しかもトップは標高1800メートルにもなるので雪質もさらさらのパウダー。5月下旬まで半年以上、スキー&スノーボードを楽しめます。ちなみに里山十帖からすぐの「上越国際スキー場」は12月中旬オープンです(リフト券付きプランは取り扱っておりません)。