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旅の手帖 別冊・新潟庄内

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10月1日からスタートしたデスティネーションキャンペーン「日本海ガストロノミー」を応援してくれている雑誌、「旅の手帖」が発売されました。

巻頭提言は「里山十帖」のクリエイティブディレクターでもある私、岩佐の原稿。里山十帖でも「ローカルガストロノミー」をテーマに、お客様にお料理を提供しています。下記に転載しましたので、ご一読いただければ幸いです。

新潟・庄内の魅力が詰まった1冊。ぜひ書店などで、「旅の手帖 別冊・新潟庄内」をご購入ください!

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米、酒、伝統野菜、発酵食、保存食……
世界が注目する新潟・庄内エリアの食文化。

新潟といえば「米」と「酒」。水稲の生産量はダントツの日本一。二位の北海道、三位の秋田県とは10億トン以上の差をつけて、なんと62億7600トン。

そして酒。新潟県の日本酒精製数量は兵庫県、京都府について三位ですが、吟醸酒や純米酒など特定名称酒の精製数量になると一位。蔵元の数も88と全国一位で、いかに高品質の日本酒を切磋琢磨して作っているのかがわかります。

しかし! 新潟といえば米と酒だけではありません。あまりにこの2つが凄すぎるため、「新潟って米と酒しかないのでは?」と思う方がいらっしゃるかもしれませんが、たくさんの美味しいものがあるのです。

例えば「なす」。新潟はなすの作付面積が日本一。なのになぜ有名でないのかといえば、県外に出荷しているのはわずか34%。なんと66%が県内消費してしまっています。「枝豆」も実は作付面積日本一。ところが枝豆も58%が県内消費。これでは県外の皆さんが米と酒以外知らないのも無理はありません。

ところで。全国各地で食による地域活性化が行われています。以前はB級グルメ全盛でしたが、今は「ガストロノミー」がキーワード。フランス語が語源で「美食学」と訳されます。20世紀までは〝フォアグラ・キャビア〟のような右脳を刺激する食が〝美食〟と捉えられていましたが、21世紀に入ると最新調理技術に注目が集まり、さらに世界がボーダレス化した現在では、また違う価値観が〝美食〟と捉えられています。食の持つ民族的背景や地理的背景を現代の料理技術で表現した、左脳も刺激する料理が高い評価を得るようになったのです。

では日本で〝地域の風土、文化、歴史〟を料理に表現している地域といえばどこでしょう。京都や金沢を連想される方が多いかもしれませんが、地域の暮らしに根付いている、そして〝眠っている〟という点から見れば、日本では新潟県、そして山形県庄内エリアが代表と言えるでしょう。米と日本酒はもちろん、伝統野菜、発酵食、保存食、そして日本海の魚……。

例えば春、私の住む魚沼地域では、あちこちの家でゼンマイを干す姿が見られます。秋になれば大根を干す家も珍しくありません。日本の食文化が、当たり前の風景として残っているのです。

その理由が「北前船」と「雪」。

明治中期まで、北前船は日本の物流を支える大動脈でした。と同時に、北前船最大の寄港地である新潟、そして酒田には、質の高い文化が育まれました。しかしその後、物流網が鉄道や車に変わって太平洋側に移ると、日本海側の各都市は高い山々と雪で隔絶され、厳しい時代を迎えることになります。一方で、本来の日本文化が、まるでタイムカプセルのごとく封印されていたのです。

そして今、そのタイムカプセルに気づいた地域のシェフや食の関係者たちが、眠っていた宝を掘り起こそうとしています。

「日本海ガストロノミー」とは、そんな地域の風土、文化、歴史を感じながら食を楽しむ知的な旅。近年、新潟・庄内エリアのレストランは大幅にクオリティーが上昇。世界の食通が注目するエリアになってきました。

「食」を楽しむ旅なら新潟・庄内エリアへ。この地域は皆様の期待をけっして裏切りません!

「日本海美食旅」総合プロデューサー
岩佐十良

岩佐十良

武蔵野美術大学在学中の1989年にデザイン会社を創業し、のちに編集者に転身。2000 年、雑誌『自遊人』を創刊。2004年、拠点を東京から新潟・南魚沼に移転。2014年、新潟県大沢山温泉に開業した「里山十帖」では空間から食まで全てをディレクション、グッドデザイン賞BEST100に選出される。地域の風土、文化、歴史を内包した食「ローカル・ガストロノミー」を提唱し、各地で宿泊施設などをプロデュース。新潟県内ではえちごトキめき鉄道「雪月花」の料理をディレクションする。新潟県・庄内エリアデスティネーションキャンペーン「日本海美食旅」総合プロデューサー。

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