蕎麦が食べたくなる季節。蕎麦が美味しいのは冬ですが、やっぱり蕎麦は春から夏に食べたくなります。
里山十帖でも夏になると「どこか美味しいお蕎麦屋さんはありませんか?」とご質問をいただくことがしばしば。定番は越後湯沢の「しんばし」なのですが、今年はお盆まで店内改装のためお休み(里山十帖のクリエイティブ・ディレクター岩佐が、実はしんばしリニューアルのディレクションをしています。乞うご期待!)。となると次におすすめなのは、八海山の門前そば屋「宮野屋」です!
同じく八海山麓にある八海醸造経営の「長森」もおすすめですが、「宮野屋」は渋〜い外観と素朴な店内に特徴のある店。父子二代で店を切り盛りしている小さなお店で、長森とは山の反対側、八海山尊神社元宮の隣にあります(東京から見ると裏側ですが、新潟的には表側なのです)。
後継ぎの米山俊介くんは「俺、宮野屋を新潟でいちばんの蕎麦屋にしたいんすよ。勉強したいんで働かせてください」と、実は2年前から、冬の間、里山十帖のキッチンで働いています。昨年からは在来種のソバを栽培することにも挑戦。「玄ソバも南魚沼産にこだわりたい」と頑張っています。
実は越後湯沢の「しんばし」は、ここ5〜6年でほとんどの玄ソバを湯沢町&南魚沼市産に切り替えたお店。米山くんも「しんばし」には大いに影響されていて、ちょっと先輩にあたる「しんばし」の田村くんも、若い米山くんにいろいろ教えてくれています。
米山くんは「しんばしの田村さんは、やっぱ、すごいっす。かなわないっす」と言いますが、彼もここ2年でメキメキと腕を上げていて、魚沼を代表する蕎麦屋といっても過言ではない味に。「草喰なかひがし」の中東さんも、里山十帖を訪れた前回、今回ともに翌日、「宮野屋」を訪れています。
東京をはじめとした各地のこだわり蕎麦屋と比べれば、違う種類の蕎麦かもしれません。でも蕎麦屋の歴史を辿れば、気軽にふらっと入れる今でいうファミレス的な店が本筋。「しんばし」も「宮野屋」も、気軽に蕎麦を食べてもらうために、大量に打っているのが特徴で、「美味しいものを気軽に食べてもらいたい」という想いと「やる気」だけは東京の名店に負けていません。
同じ南魚沼市内としてはちょっと遠いのですが、ぜひ車で来られた方は、帰りに「宮野屋」に寄ってみてくださいね。
宮野屋
新潟県南魚沼市大崎八海山大崎口
025-779-2145
木曜定休
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